sahy’s diary

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ゲーム記:朧村正

今回の記事、1時間以上費やして書いたのに保存前にぶっ飛んで全てを投げ出したくなりながらも全力で書き直したという裏の戦いがございます…。

今回語りますのはこの作品、 朧村正

2009年に任天堂Wii専用ソフトとして発売され、その後PSvitaに移植されています。

本作は江戸時代が舞台の和風剣戟アクションRPGです。こう聞くと一見どこにでもありそうですが、脚本・映像・操作性・戦闘・音楽と全てが高水準でまとまっている非常に稀有な作品なのです。では詳細をどうぞ。

1.職人芸を超え狂気や執念と呼べる域にまで達した美麗な2Dグラフィック

本作最大の売りはといえばやはりこれ、極みに達した2Dグラフィックでしょう。異常なほどに描き込まれた風景、そしてその中を細やかに動きまわる登場人物たち。アニメーションを自然に滑らかに見せるにはいかに中割りの絵の枚数を多くするかに尽きると思います(CGソフトで補完するとどうしても不自然さが残る)。滑らかに動かそうとすれば1動作にかける絵の枚数が倍々で増えていき、労力が何倍にも跳ね上がるわけですから、この試みはもはや狂的と表現して良いでしょう。それもただでさえ題材が魅力的なのですから相乗効果抜群です。妖しき魑魅魍魎、色鮮やかな日本の四季、蠱惑的な江戸の夜…そして実に旨そうな料理の数々!料理をうまそうに描くのは、本当に才能以外の何物でもないのでは?

3Dは技術の進歩により大きな差が出るため、10年前といまを比べても厳しいものがありますが、2Dはそういった影響が小さく、完成された作品は何年前のものでも素晴らしいというのもまた強みです。

2.大人向け、渋い台詞回しの本格歴史シナリオ

2人の主人公が妖刀を巡り江戸時代の日本を駆け巡るというシナリオなのですが、この時代をもとにした作品を実によく研究されており、芝居掛かったナレーションや粋なセリフの数々が気分を大きく盛り上げてくれます。単に憧れなどから江戸や大正を舞台にしても、時代時代の表現をきちんと作品に落とし込めていなければただのファッションとなり冷笑すら誘うところですが、本作はまったくそのようなことはありません。想定年齢を高めに設定したのでしょうか、その冒険に拍手。

⒊アクション苦手でも楽しめる、爽快な戦闘

ヌルヌルに動くグラフィックを最大限に活かした、刀による高速戦闘が楽しめます。空中を乱舞し群がる敵を手玉に取り、まるで殺陣のようにかっこよく戦闘を決めることができると、思わず自分の腕前にうっとりしてしまう…いやナルシストではございません。下手な私でもそうなのですから、プレイしていれば誰しもそういうケースが間違いなくあるはず。腕に自信のない方でも問題ない簡単なモードに加え、一撃貰ったら即ゲームオーバーの死狂という変態向けモードもあって隙はございません。

難点は…初期型PSvitaでDL版を起動すると起動失敗やフリーズなど、挙動がおかしい場合がたまにあるということ。DLCシナリオも同様。本当に稀ですが、動作が安定しているWii版でもフリーズが発生したことがありました。40時間プレイして1度きりの発生なのできちんとセーブをしていれば問題ない程度ですが、本体との相性によるものかもしれないのでなんとも言えません。

 

…それぞれの主人公に妖狐の水先案内人が付き添うのですが、友人とどちら派か熱く議論したのはいい思い出