sahy’s diary

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読書かんそうぶん:伝説のハッカーが教える超監視社会で身をまもる方法

今回はこちら 伝説のハッカーが教える超監視社会で身をまもる方法 。非常に実践的な個人情報防衛手段が書かれた本です。ネットワークや機器操作についての多少の知識は必要ですが、後からでも身に着けられるレベルです。

それでも専門書の部類に入るので苦手な人には厳しいかもしれませんが、今後一切写真をネットワークに公開しない、といったすぐにでも簡単に始められることも述べられています。家族(特に若いお子さん)にテクノロジーの使い方・マナー・心構えを身に着けさせることは重要であり、この本を問題なく読めるのであればすぐにでも読んで対策に取り組んでいただきたいぐらいおススメ。本来ならあらゆる人に読んでいただきたいところですが、初心者向けにお勧めできる本が見つかったらまたご紹介します。

本書の内容は多くの場合アメリカの法や実態を基にしたもののため、日本とは比較にならないぐらい監視が厳重ではありますが、グーグルクロームiPhoneTwitterFacebook、インスタグラムなど、使用している機器やサービスは共通しているため、十分参考になります。

海外での事例を見ると、日本人と同レベルの防犯意識・危機意識しか持ち合わせていない人が多いようで意外に感じられます。ほとんどのSNSは企業が個人情報を独自に保存し続けること、ネットワークにアップロードされた情報は永遠に消滅しないこと、何気ない写真から身元を割り出され一瞬にして個人情報が拡散してしまうこと、そういった恐ろしい点を多くの人が深刻に受け止めていないこと…。 

ハイテク犯罪は増加の一途を辿っていますが(一例として、小中学校などにクラッキングをかけて生徒の個人情報を盗み出し、流出か大金の支払いかの2択を迫るというような事例があります)日本は犯罪からも取り残されているのか、あまり聞きません。記憶に新しいものでコインチェック事件ぐらい。ためしに日本の学校のウェブサイトをみると、90~00年代によくある手作り感あふれる作りのものが多く不安を誘いますが、実務用や個人情報等のデータが置かれる場所は全く別ですし、政府及び自治体で使用されるLGWANネットワークは秘匿性が高いため、これに組み込まれていれば安心…のハズ……(自信がない)。

こういった事例しか知らないレトロ頭の私としては、掲載されている数々の衝撃的な事例に浦島太郎状態であることを思い知らされました。特にIOTハック(自動運転車の運転中の乗っ取り、スマートホーム対応の電球やエアコン、ベビーモニターを介しての端末乗っ取り)には陳腐ですがSFに描かれていた未来の到来と表現せずにいられない。

我々は数兆個のセンサーに囲まれながら生活していると言われます。好む好まざるにかかわらず先端技術が生活に浸透する時代に、新しいものを敬遠していては、当たり前のように享受できていたものや守れていたものを次々と失うことになるでしょう。これまで通りでいたいのならこれまで通りではいけないというわけですね。いつの世も環境に適応できないものは犠牲になるのでしょう。