読書感想文:詭弁の話術
読んだのはこちら。
ちなみに上記は新版で私が読んだのはワニブックス版なのですが、内容は同じだと思われます。
ユーモアとウィットと風刺にとんだ作風を持つ御大が鋭い切れ味でスパスパと物事を両断していく様は実に読みごたえがあります。
物事におおらかな昭和の時代だったからこそ書けるような内容も多分に含んでおり、今どきの文章のように漂白されていない強烈な主張やストレートな表現てんこもり。ああ、そうか、こういうのが昭和の本のだいご味なんだ、という新たな発見に嬉しくなります。
知識人の本音を知るために図書館や古書店で平成初期以前の本を探してみるのも面白そう…。今度ぜひやりたいなあ。
「—―この世の中では、あまり真正直に本当のことを言う人は、きまって評判が悪くなる。なぜかと言えば――この世の中はそう美しいものではなく、まあ、率直に言えば相当に醜悪である。ところが世間には善人と悪人がいて・・・」