食記:天ぷら 近藤
今回の記録は国内外の著名人に絶賛される天ぷら 近藤 さん。
こちらのご主人、安倍首相とオバマ大統領の会食に腕を振るってほしいと打診されたものの、予約客を優先し断ったというエピソードはもはや伝説。
ここはエビや穴子といった天ぷらの定番がうまいのはもちろんのこと、兎にも角にも野菜が美味。
肉厚でみずみずしいのにサクホクなホワイトアスパラ、ご主人が農家から特別に仕入れているという種まで甘いピーマン、そしてこちらの名物であるサツマイモ。コースの初めからじっくり時間をかけて育てるように蒸し揚げられた黄金色のサツマイモは、外側は天ぷららしくカリッと香ばしいのに、中はねっとりと粘りのある食感でうまみの対比がたまらない。
他にもキス、メゴチ(初めて食べました)、レンコン、シイタケなど、テンポよくサッサカサッと品が出て、〆は漬物、赤だし、かき揚げ天丼のセット。この天丼のエビと小柱がまたプリプリムチムチで、お代わりしたかったなあ…。
高級な天ぷらは昔、名古屋のくすのきというお店(こちらもとんでもないお店に成長しているようです)に行ったきりですので、同じジャンルでも全く違うのだなあ…と。
衣をつけて揚げる以外の調理方法がとれないのに個性を出すなんて限界があるんじゃないか?という考えを改めさせられる名店です。
途中、外国人のお客さんが飛び入りで現れて(当然断られ)しょんぼりと帰っていったのが印象的でした。いまや多くの名店の敷居が低くなったとはいえ、このクラスの店が予約なしでふらりと立ち寄ってさっと食べて帰れるようになる日というのは来るのでしょうか?