sahy’s diary

好きなことを好きなように書いていきます

食記2:スリオラ

ブログを始めた理由はいくつかありますが、私の美食趣味が結構深く関連しています。

美味しいお店に行っては料理の写真を撮り、どこに公開するでもなく思い出として残し、たまに眺めておりますが、だんだんと記憶も薄れていくもので、いまや写真を見ても当時のことがなかなか思い出せないことも。

あのえもいわれぬ、心躍る体験を忘れてしまうのは実に惜しい。

・・・いや、惜しいのであればもうちょっとなんかやったらどうなん?

ということで、写真と文章の両方で残しておこうと思い至ったわけですね。

そのような考えのもと書いている記録のため、実際にお店に行ったのはかなり前、という記事がほとんどになると思われます。夏でも冬に行った店の記事も書きますよ!

…以上、前置き終了(1回目に書いておくべきでしたね、てへ)。

今回のお店は銀座のスペイン料理店 スリオラ さんです。

高級なスペイン料理というのを食べるのは実はこの店が初めてだったのですが、驚いたことに何を食べても素晴らしくおいしく…本当に感動しました。

多くの場合、「素晴らしくおいしい」と感じる料理をいただいた時、ああ、本当に名店に来たんだなあ…と思いますしそういう料理が饗されるのが名店と呼べるお店なのですが、時折それを超越する「感動するほどおいしい」と思える料理に出会うことがあります。自分の舌にバチっと合う感覚とでも言いますか。まさにそんな感覚の料理が目白押し。

口に入れるとカリッと薄皮がはじけ、オリーブオイルがプシッ、ジュア~とあふれ出す1皿目の軽いスナックに始まり、脂ののったマイワシをクラッカーのような香ばしい生地に乗せてほおばるコカ、プリプリのエビやイカを使った魚介料理、上質な塊肉がスプーンですくえるほどトロトロに火入れされた肉料理。思い出すだけでよだれが出ます。デザートは濃厚・芳醇・爽やかな調理方法で表現された3種のチョコレート。徹頭徹尾隙のない味わい…。

唐突ですが私は美食家アンソニー・ボーデイン氏の「アンソニー世界を食らう」という海外のテレビ番組が好きで、特にスペインを紹介する回は特にスタッフの思い入れがにじみ出るような構成になっていてお気に入り。

なかでも世界最高のレストランと絶賛されるエル・ブリの料理が矢継ぎ早に流れるシーンはまさにめくるめく食のエルドラド!あれを見た美食家は憧れを抱かずにはいられないでしょう。

放送から時が経ち、いまやエル・ブリは閉店し、アンソニー・ボーデインはこの世を去り…なんとも隔世の感があります。

スペイン料理と私との関係は、この番組、そしてこちらのお店と切り離せないものであります。